きものさんぽみちのお出かけ 宇治に遊ぶ  平等院〜興聖寺〜万福寺〜宝蔵院   
平安時代の都人は、宇治の里に、どのような思いを抱いていたのでしょう。
都会・日常・現実の煩わさしさからの逃避、はたまた当時の仏教観「出家の世界」が顕在した景色か・・
宇治 平等院・万福寺辺りに出かけました。
平等院
平等院
「この世をば我が世とぞ思う望月の欠けたることのなしと思へば」と豪語した道長の息子藤原頼道が寺院に改築。宇治川対岸の宇治上神社とともに、1994年(平成6年)にユネスコの世界文化遺産に登録。幾多の平安貴族たちが別荘としていたものを、「光源氏」のモデルとなった源 融(みなもとのとおる)から別荘として藤原道真が譲り受けその息子頼道が1052年に寺院として改築したもの。源氏物語・宇治十丈にも、光源氏が息子の夕霧に譲った宇治のお屋敷として度々登場しています 。
「鳳凰堂」の前には池を配した庭園(史跡・名勝)があり、創建当初は宇治川に向って洲浜が伸び、対岸の山並みを取り入れて、西方極楽浄土を現したものだったようです。梵鐘(国宝)も、古来、「姿・形の平等院」といわれ、「音の三井寺」「銘の神護寺」とともに、3名鐘のひとつに数えられています。 「鳳凰堂」 正面小窓の格子越しの阿弥陀様(定朝作)の顔が典雅・・・ 両翼を広げた「鳳凰堂」の名前通りの優雅な建築。大屋根には鳳凰が優雅に乗っています。内部の絢爛な宝相華(ほうそうげ)文様や極彩色の扉絵で装飾され、二重の天蓋や雲中供養菩薩も必見(全て国宝)
 
笛を吹いたり ささらを鳴らし ゆったり踊り
踊ったり 提灯を捧げ持ち お花を愛で
鳳凰堂には仏師・定朝作の阿弥陀如来像が安置され、周囲の壁には 雲に乗って、楽器を奏で、歌を歌い、羽衣を翻して飛び・漂う 軽やかで大変動きのある52体の雲中供養菩薩像が飾られています。重厚で、ありがたいと思いがちなお寺で、思いがけない程ポップで楽しい装飾に出会い、この世に極楽を見たように頬がほころばせて驚かれることでしょう。
「鳳凰堂」の北にある樹齢二百年といわれるフジは、4月下旬から5月初旬にかけて見事な花を咲かせます。背景が平等院なので、一層見ごたえがあります

朝日焼 窯元
朝霧橋を渡り宇治川対岸へ。お茶所らしい、朝日焼きという窯元があります。風雅な鹿背(かのせ)と言う、もやもやとした不思議な文様。朝日焼の名の元になった朝日のような色と土の味を求め、全国からお茶人達たちが来られるようです。ここの2階で朝日焼きのお茶碗で戴いたお抹茶とお菓子はほっぺた落ちのお味。
 
 興聖寺
興聖寺は仏徳山と号する曹洞宗のお寺で道元禅師を開祖としています。1236年に伏見深草に建てられたのですが途中で廃絶し、1649年、当時の淀城主、永井尚政によって、宇治七名園の一つの朝日茶園であった現在の場所に再興されました。本堂は伏見城の遺構と伝えられ、その奥に建つ天竺堂には、宇治十帖古跡の「手習の杜」に祭られていた「手習観音」が安置されています。 参道は、脇を流れる谷川のせせらぎが琴の音に似ていることから琴坂とよばれています。もみじの名所として知られる琴坂の風景は宇治十二景の一つに数えられ、昔から多くの人に親しまれてきました。 万福寺と同じ様に中国風の門がエキゾチック。禅宗のお寺らしく、きりっと鎮まった境内

川沿いの道からのなだらかな琴坂の参道はほの暗く、ミステリアス。参道の両側に細い溝川がありころころ♪さらさら♪と清らな音が聞こえてくるところから名付けられました この紅葉のトンネルは秋には絶景となります
萬福寺
京阪電車で一駅 京都方向へ戻ると「黄檗」駅。ここに黄檗山「萬福寺」があります。
江戸時代に隠元禅師が福建省から渡来して創建したお寺です。 由来の通り中国風の雰囲気の強い大変エキゾチックなたたずまいは魅力的。このお堂の本尊は、釈迦牟尼仏ですが、その周りに風貌のユニークさ極まれりと言うべき18羅漢様。「この方たちのお顔は中国系なのですか?」とちょうど居られたお坊様にお聞きしましたら、「いや、インドでしょうな」とのこと。中国に浸っていると思っていたら、インドまで包摂していたのです。天井に近く「真空」と言う扁額も架かっておりました。真の空=宇宙と読めばこのお堂のなかに世界を凝縮して、展開されているかのよう。唐から渡ってきた形そのままを残しているお寺は日本にはここより他に無く、面白さ抜群。  
大きなお腹の布袋様がお出迎えに仰天。天王殿大雄宝殿など20幾つもの伽藍がゆったりと並び、勾欄が、卍崩しになっていて面白い影を作っています。おりしも賑やかな音に吸い寄せられて本堂である大雄宝殿を見にいくと、ちょうど3時のお勤めの時間。4・5人のお坊様がお経を唱えておられました。 大太鼓、大鐘、雲板、木魚、銅鑼などを打ち鳴らしながらの読経で、中国南部福建省からの伝来当時の発音(唐音)と賑やか!聴きなれない言葉に耳を澄ますと、中国語のよう。これは明代の発音のままの、黄檗唐音のお経なのです。唱える姿勢も立位で、伴奏(?)も大きな太鼓や小さいつりがね様の鉦など珍しいものを鳴らし、リズムまでもワールドミュージックを聴いているよう。惹きこまれましたよ!この儀式作法は中国明代そのままの法式梵唄が延々と受け継がれています。
  萬福寺のお煎茶のお茶会(05年行われた全国煎茶道大会へ着物で参加の模様)ぜひともご覧ください
宝蔵院 鉄眼和尚が仏教の全てのお経を、日本で始めて刊行した 偉業
   
版木が大切に守られている宝蔵院
   一切経の元を作った鉄眼禅師
鉄眼禅師は、隠元禅師の弟子の一人。ここ宝蔵院には一切経の版木が大切に守り伝えられています。
一切経とは、文字通り存在する仏教のお経全てのこと。それを、鉄眼禅師一人の働きで集めた基金により、
版木に起こしたと言う偉業を成し遂げ、日本の仏教の基盤としました。
現在も摺り師によって和紙に摺り発行されている現役の出版に立派に役立っています。
このお経の版木文字は、中国の明朝で使われていた文字であることから、「明朝体」と呼ばれています。
また文字数も、版木20列20語=400字で統一されていて、われわれの使っている原稿用紙の字数につながっています
 宇治の夏 花火の楽しみ
     
  宇治の花火

 8月10日
宇治川に花火が上ります

鵜飼を見ながら屋形船で
宴をしながらの待ち時間も楽しい

暗闇に「ズドーン」とおなかに響く
豪快な花火は夏の醍醐味

 
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